基礎知識

犬のための正しいアロマセラピー 精油の選び方 | 基礎知識

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Office Guriの諸橋直子です。公益社団法人 日本アロマ環境協会認定アロマテラピーインストラクターの有資格者です。

この記事では、犬のアロマセラピー初心者のために基本となる「精油」について解説していきます。

精油とは | アロマセラピーの基本となるもの

犬のアロマセラピーは、犬の優れた嗅覚に訴えかけて健康増進やストレスケアを目的として行うもの。

そのため「精油」の品質は大切です。飼い主が犬のために正しい精油を選ぶためにも、精油について基本情報を学びましょう。

基本1 | 精油は100%植物から抽出したものを使用

精油は植物から抽出される「香りを持った成分=芳香成分」です。植物が生み出す複雑な成分(有機化合物)が、数百から数千種類も含まれたものです。

その複数の成分がお互いに作用しあい、複雑な薬理作用を私たちや犬の体にもたらします。その恩恵を受けるのがアロマセラピーの醍醐味です。

一方で、合成香料の場合こうした複雑な成分は含まれていません。心地よい香り、植物の香りによく似せてある香りであっても、含まれている成分の種類が大きく異なるため、精油を用いたアロマセラピー同様の効果は期待できません。

必ず100%植物から抽出された精油を使用しましょう。

基本2 | 精油は専門店で購入しよう

初心者の場合、精油は専門店で購入しましょう。

雑貨店などで「アロマオイル」「フレグランスオイル」など、純粋に香りを楽しむことを目的とした合成香料も販売されています。これらは精油とは異なります。

初心者の場合、こうした区別をつけるのは難しいため専門店での購入が間違いありません。専門店では専門知識を持ったスタッフがいて、必要に応じてアドバイスを得られます。

基本3 | AEAJ表示基準適合認定精油を目安に購入しよう

AEAJ=公益社団法人 日本アロマ環境協会は内閣府に公益認定された、アロマテラピー関連で唯一の公益法人です。

AEAJでは消費者が精油購入の際、正しく精油の情報を受け取れるよう、製品情報の記載や使用上の注意についての説明に対し基準を設けています

この基準を満たした精油メーカーのリストがWEB上で公開されています。初心者の方は購入の際に参考にしてください。

AEAJ表示基準適合認定精油
https://www.aromakankyo.or.jp/aeaj/activity/oilguide/

よくある質問 | 犬のための精油は「有機栽培」のものの方が良いですか?

回答:有機栽培でもそうでないものでも、どちらでも

そもそも有機栽培とは何か?

有機栽培というと、体に良さそうというイメージを持っている方が多いです。ここで一度、有機栽培とはそもそも何か?を定義しておきましょう。

有機農業・有機農産物とは:
有機農業は、生物の多様性、生物的循環及び土壌の生物活性等、農業生態系の健全性を促進し強化する全体的な生産管理システムであるとされ、国際的な委員会(コーデックス委員会)が作成した「ガイドライン」に、その「生産の原則」が規定されています。
出典:農林水産省 【有機農業関連情報】トップ ~有機農業とは~
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/yuuki/

平たく言えば、

  • 化学肥料や農薬を使用しない
  • 遺伝子組み替え技術を使用しない

という条件を満たして、なおかつ環境への負荷をできるだけ抑えた栽培方法となります。

農薬を使用しない分、害虫駆除には手間がかかります。また肥料を使用しない分、使用した場合と比べて収穫量は少なくなる傾向にあります。

そのため、精油のコストは同じ量を農薬・化学肥料を使用場合より、割高になります。

こうしたコストを「環境に配慮し、負荷をできるだけかけない栽培方法に賛同する。応援したい」という意味で消費者が負担することはOKです。そこに納得できる場合は、有機栽培の精油を購入するのも良いでしょう。

安全面での違いはあるか?

有機栽培でない精油が、有機栽培のものと比べて安全面で劣るのか?と問われれば、そうとは言えません。

精油は世界中で、人間向けの化粧品材料として使用されています。人間の肌に直接つける化粧品は、日本の場合「薬機法」によって厳しく管理されています。

こうした管理下の元、製品として精油を使った製品が世の中に出回っていること自体が、安全性の担保になると私自身は考えています。そして多くの場合、化粧品の材料に使用される精油は特別な表示がない限り、有機栽培ではなく通常の栽培方法で作られたものです。

実際に、私自身がアロマセラピーインストラクターとして10年以上に渡り、犬や私自身に精油を使用してきた実感としては「有機栽培、そうでない一般の精油との間には、香り、使用感について大きな差はない」です。

そのため、「どちらが良いか?」と問われれば、どちらでも、とお答えしています。

飼い主さんご自身が「より好ましい」と感じ、納得できる精油を選ぶのがベストです。


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